重症心身障害児(者)は、程度が重い肢体不自由と知的障害が重複した状態にある方のことです。一般的に、運動機能と知能指数を計る「大島分類」で重症度を推し量ります。このスコア表の分類1〜4の方が、重症心身障害児(者)に該当します。数値としては知能指数が35以下、かつ身体機能が寝たきりもしくは座位を保てる程度のみのケースが当てはまります。
重症心身障害児(者)施設は、重症心身障害の方が適切な医療ケアを受けられたり、日常生活の拠り所となったりする施設です。児童福祉法という法律に基づいて設置されていますが、医療ケアを受ける方が多い施設のため、医療法における病院とも位置づけられています。
利用者の年齢や障害の程度などが異なるため、重度心身障害児(者)施設によって事業内容も異なるのが特徴です。養護学校の放課後に預かり目的で存在する放課後デイサービスや、在宅看護などを受けている方が利用する通所施設、利用者の発達支援や生活支援を行う療育施設などが主となるでしょう。18歳未満の子供なら、病院内の療育施設や公立・法人立の療育園などでサービスが受けられます。
18歳以上になると、グループホームやケアホームといった療養型介護施設へ移行することになりますが、特性上地域生活への移行が困難であるケースが大半です。まだまだ問題点が多い状況ですが、地域や医療などが連携して18歳以上の重度心身障害者も引き続き同一のサービスを受けられるよう、模索が続けられています。